文を敲く

読書記録とその他雑記。

エッセイの黄昏

エッセイや随筆と呼ばれる一群の文章がある。記憶の海から断片を引き寄せ、思考を練り上げ文字で表現されたガラス細工である。論文や評論などと違って気楽な雰囲気が漂い、読みやすい。とはいえ内容には思い違いや勘違いも少なくない。

ウェブ上にもそれこそ砂粒の数だけエッセイが存在しているが、こうしたエッセイはある種の人々の行動の影響でゆるやかに減っていくのではないかと思う。ウィキペディア名物[要出典]の烙印をこの世のすべての出典の無い文章、呟き、形も定まらぬ声に貼り付けようとしている人がいるからだ。端的に言えば「ツッコミ」である。彼らはデマと流言の撲滅に今は力を注いでいるが、いつか隙がある文章を書く人を片っ端から捕まえ「無出典撲滅・危険分子糾弾大会」でも行うのではないかと始めるのではないかとを妄想してしまう。