文を敲く

読書記録とその他雑記。

たそがれの国、ニッポン

「日出づる国」という別称はもはや遠い昔の話。何といっても遣隋使たちが活躍していた頃の話なのだから。泥沼の政治を抜きにしても、今を生きる日本人は「日出づる」より「たそがれ」が好きだと思う。

東北方面に向かう夜行列車を例にとると、たそがれを英訳したトワイライトエクスプレスはパッケージツアーに組み込まれる程の人気を保っている一方、たそがれとは対義語に近い言葉を冠したあけぼのはそこまでの人気はない。*1

また「日の出」「あけぼの」という言葉はなんとなく昭和の香りがする。生活感の香りなのかもしれない。類似語の「扶桑」はフジサンケイグループの香りがする。「夜明け」はテレビ東京の経済番組の香りがするが、「扶桑」と比較すると無臭に近い。

*1:北斗星カシオペアの陰に隠れているためでもあるが。