文を敲く

読書記録とその他雑記。

四半世紀前の予想 -「時代の風音」

時代の風音 (朝日文芸文庫)

時代の風音 (朝日文芸文庫)

ツイッターでたまたま見かけた本である。著者の意外な組み合わせに興味を惹かれ、図書館で借りて読んだ次第である。本書の元になった座談会あるいは鼎談は「失われた20年」が始まった頃に行われたものである。まだバブル崩壊を実感する者たちは少なく、世界はよくなっていくと思われていた頃である。

この鼎談では「未来」がそれほど楽観的には語られていない。ヨーロッパは統合どころか分裂へと向かっていくなど、結果として予想が当たっているところが多い。ただ、堀田善衛は他二人と比べると忘れられているのは気になるところではある。