文を敲く

読書記録とその他雑記。

時代精神 - 「ハリー・ポッターと呪いの子」

世界的ベストセラーの「続編」である。もっとも本書は小説ではなく舞台版のために脚本家が書いた台本なので「二次創作」といってもよいだろう。ほとんど台詞だけで物語が展開していくのでライトノベル感覚でページを読み進めていくことができる。

一読して今年最も話題となった映画「君の名は。」を連想せずにはいられなかった。主人公の男女が入れ替わるわけではないが、両作品ともきわめてシミュレーショナルな物語であり、主人公たちが最終的に目指すところも似ている。ただし、「未来」を変えるには「現在」ではなく「過去」を変えるしかないというこの時代精神が指し示す意味は私はまだとらえきれていない。