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読書記録とその他雑記。

保守 -「花森安治伝」

花森安治伝: 日本の暮しをかえた男

花森安治伝: 日本の暮しをかえた男

暮しの手帖」の伝説的編集長である花森安治の伝記である。花森本人があまり語らなかった生い立ちや「暮しの手帖」の創刊に至るまでの生活について書かれていて興味深く読んだ。花森が学生時代に編集した校友会雑誌を見る為に島根まで足を運ぶなど、労作であるだけあって新発見も多い。

花森を「保守主義者」と評した点は類書には見られない違いではあるが、「暮らしを守る」という点で他の誰にも到達できないところまで登ったことは確かだ。いったい保守を自称する人々で「暮らし」を大切にしようとする人が今どれだけいるのだろうか。