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読書記録とその他雑記。

残したもの - 「高校紛争」

高校紛争 1969-1970 - 「闘争」の歴史と証言 (中公新書)

高校紛争 1969-1970 - 「闘争」の歴史と証言 (中公新書)

1960年代末には全国的に学園紛争が起きていたが、その流れは高校にも及んでいたことを紹介した本である。紛争が起きた高校のほとんどが名門進学校なのは予想通りではあったけれども、「卒業証書破り捨て」「挑発的な答辞」など細かなエピソードが面白い。あと高校生時代の村上龍がやたらと格好良い。

高校紛争がほとんど忘れ去られてしまったのは社会に目に見える影響を残すことができなかったからなのだろう。強いていえば70年代にかけて管理教育が強化されていく流れを形成したぐらいだ。