文を敲く

読書記録とその他雑記。

ニヒリズムの気配 - 「老子」

老子 (岩波文庫)

老子 (岩波文庫)

本書は老子の現代語訳、書き下し文、白文、そして語義注釈が載っている。私は現代語訳と巻末の解説しか読んでいないので本書の半分ほどしか読んでいない。しかし老子が意外なほどニーチェの思想と親和性がある*1ことも今回知ることが出来て収穫は大きかった。

内容に関しては一般的には「自然体」をすすめる穏健な書籍というイメージが強い気がするが、今の私には世界最古級の愚民政策推進本のようにしか読めなかった。侮ることの出来ない本である。いずれ精読したい。

*1:望ましい人物像のたとえに「赤子」を使っていたりする