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読書記録とその他雑記。

断絶という虚偽 - 「中世哲学への招待」

近代哲学は中世の哲学とは断絶していると一般的には考えられているらしい。確かに中世ヨーロッパの哲学は神学ばかりで、そこから派生して「神は死んだ」とのたまうニーチェの思想が生まれたとはちょっと考えづらい。

しかし本書によれば神学の発展過程において論理的思考法が磨かれ、その思考法が現代にいたるまで受け継がれているという。一見断絶しているようでつながっているのだ。錬金術と科学の関係のように。