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長いものには巻かれろ - 「僕は君たちに武器を配りたい」

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

本書によると情報化自動化が進む現代では大半の人々は「コモディティ」、つまり汎用単純労働者にならざるを得ないらしい。コモディティとなることを回避するためには教養などの「武器」を持つ必要があるのだという。

とはいえ、誰もが「武器」を持てば殴り合いに進展してしまうのではないかと思うものの、本書の対象読者層はおそらくエリート候補生に限定されているゆえに問題ないのであろうきっと。逆立ちしても大半の人間は「コモディティ」(WE ARE THE 99%)だと思われる。読み終えてなんとなくむなしい気持ちになった。

(追記)さらに付け加えて言えば本書は「グローバル化」をほとんど無批判無条件に受け入れている。一見すると新しい事を言っているような気がするかもしれないが時流に乗ることを勧めているという点では「長いものには巻かれろ」と言っているのと同じといっても過言ではない。