文を敲く

読書記録とその他雑記。

くそどうでもいい仕事について - 「ブルシットジョブ」

ソーシャル・メディアとは、基本的には、なにか別のことをするふりをしながら生産され消費される電子メディアの形態である。(p.187)

この記述については、いわゆるツイッター構文で表現すれば「首がもげるほど頷いた」といったところだろうか。かつて新聞を読んで過ごしていたブルシットジョブ・ワーカーはソリティアを経由してソーシャル・メディアに流れ込んだのかもしれないと読後ふと思った。

現代の少なからぬオフィスワークは待機時間や拘束時間が妙に長い。メールチェック以外に何もすることがないということも少なくない。私の仕事の内容はどちらかといえばブルシット寄りだ。うんざりしてしまうことが少なくない。ブルシットジョブを減らしていくには労働時間短縮がもっとも適切な解決法だと私は思う。本書によればケインズは「週15時間労働」を予言していたそうなので、まずは週30時間労働制を実現したいところである。

10年で変わったこと・変わらなかったこと

10年で変わったことといえばまず通信手段を挙げざるを得ない。当時はまだLINEは出来て間もなく、友人知人との連絡は基本的にキャリアメールが中心だった。今やキャリアメールは全く使わず、メール自体も事務的な用途でしか使わなくなってしまった。

当時は電車内での暇つぶしはもっぱら読書が中心だったように思う。あの頃は年百冊ぐらいは読んでいたと思う。最近の暇つぶしはもっぱらTwitterとなってしまい、読書量もめっきり減ってしまった。そしてブログの更新も疎かになってしまった訳である。残念ながらブログの更新が活発になることは当面なさそうだ。

一方、10年で変わらなかったこととしてまず思い浮かんだのはウェブサイトの閲覧方法だった。あの頃も今もFirefoxブラウジングをしている。我ながら謎な所でこだわりが強いと思う。

はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと

「はじめての動物倫理学」

この数年話題にのぼることが多くなったヴィーガンや人工肉。その大元には動物倫理学があり、本書は動物倫理の思想史やヴィーガンの問題意識などについて丁寧に説明されている入門書である。

集英社新書は著者によって1ページ当たりの本文の字数にかなりの差があるが、本書に関しては比較的字数が多い。また類書も少なく、私にとっては初めて知る内容が多く読み応えのある一冊だった。