嗜み - 「天皇はなぜ生物学を研究するのか」

天皇はなぜ生物学を研究するのか (講談社+α新書)

皇族には研究者が多い。昭和天皇は粘菌の研究を行う学者としての顔を持っていたことでも有名だ。しかし、なぜ「粘菌」という地味な分野の研究を行っていたのか。そこに疑問があったので本書を手に取った次第である。

著者によれば「ヨーロッパの上流階級に倣った」ことがその答えであるそうだが、その経緯についての記述に挟まれる薀蓄が面白い。ヨーロッパの上流階級の人々の間で「博物学」が流行った理由や、ゴルフは実は庶民のスポーツ*1といったものだ。

*1:よくよく考えてみるとゴルフは「ジェントルマンのスポーツ」だから当然だ。ジェントルマンは貴族のように血統云々までは問われない