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読書記録とその他雑記。

実は読みやすい - 「たった一人の反乱」

たった一人の反乱 (講談社文芸文庫)

たった一人の反乱 (講談社文芸文庫)

丸谷才一といえば「歴史的仮名遣」の人というイメージがあったので読み辛い本なのではないかと思ったが、本書は「現代仮名遣い」だったので読みやすかった。個性的な登場人物の動向が気になってページを捲るスピードが速まる。文章も軽快だが内容も軽快なのだ。

主人公の家に「女中」がいたり、問題意識に時代の隔たりを感じるが、都会的なスノビズムとペダンティズムは今も色褪せない。