宝の山かゴミ屋敷か - 「随筆 本が崩れる」

随筆 本が崩れる (文春新書)

崩れた本によって浴室に閉じ込められた顛末を語ったエッセイと野球を巡るエッセイ、そして愛煙と嫌煙のエッセイの三篇が収められた新書である。薀蓄によってたびたび本筋から脱線するがまたそれも面白い。タバコに代表される嗜好品と呼ばれるものは大抵どうしようもない依存症を引き起こしがちであるが、それが嗜好品の魅力なのだろう。