文を敲く

読書記録とその他雑記。

シスアド的リアリズム

転生したらスキルになっていた!? ~ モニカの奇妙な相棒 ~(@Makalu) - カクヨム

本作品の主人公は「スキル」と称されるバックエンド人格(裏方)である。バックエンドがあればもちろんフロントエンド(表の人格)もある訳である。転生系にもいろいろあるが身体と人格が1:1の関係ではないというのは珍しいと思われる。

主人公は身体内外から集められた大量のログから問題の原因を突き止め、マルチスレッド起動(多重人格の様に入れ替わったりしない)している表の人格と協力して解決策を導き出す。表の人格が睡眠中の時も身体の監視やメンテナンスを無休で行う。主人公はいわば身体アドミニストレータ―なのである。ゲーム的リアリズムならぬシスアド的リアリズムが本作の特色だ。

身体は当然のことながらミッションクリティカルシステム(運用の失敗は死)である。しかし世のシステムと同様にしばしば暴走して制御不能になる。間一髪のタイミングでなんとか助かってはいるものの、しばしば力技で解決していることもあり「運用でカバー」というフレーズが頭をよぎる。

趣向を凝らした設定と怒涛の展開で一気に物語世界に引き込められたが、綱渡り運用が続くのでなかなか辛い。無事完結してハッピーエンドを迎えてほしい。