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読書記録とその他雑記。

点が線になる - 「近代中国史」

「経済」の視点から中国の近代史を捉え直した書籍である。アヘン戦争太平天国の乱など一見散発的な近代中国の事件が本書を読むと一体的な現象として理解できるようになるから驚きである。

個人的には「近代中国で株式会社が発達しなかった背景」についての説明にはとりわけ感嘆した。政府が徹底的に民事不介入の姿勢を取り続けた結果(通貨の流通も基本的に市場任せ)資本の蓄積に必要な「信用」が生まれず、資本の集積が出来なかったのである。