文を敲く

読書記録とその他雑記。

違和感 -「会計の歴史」

[rakuten:book:18157313:detail]
まず著者のプロフィールがおかしい。通常の著者紹介であれば「商学博士」か「博士(会計学)」と書かれるべきところに「博士(慶応義塾大学)」とある。著者は慶応義塾大学についての博士論文を執筆して博士号を得たのだろうか*1

本文中には「この交通革命は鉄道マニアによって引き継がれ、完成する(p.149)」という一文があるが、この不自然な「鉄道マニア」の用法に対しては何の注釈もない*2。この本文を読んだだけでは鉄道好きのブルジョアが趣味と実益を兼ねて鉄道網が発展させたようにも解釈できてしまう。全体的に言葉の使い方が独特なので、あちらこちらで引っかかってしまう。

編集者にはもうちょっと頑張ってほしかった。

*1:慶応義塾大学幼稚舎等を経て」「慶応義塾大学卒業」「慶応義塾大学教授」とも書かれているので揃えたかったのだろう。あとは「慶応義塾評議員」になればロイヤルストレートフラッシュの完成といったところか。

*2:ちなみにウィキペディア日本語版はRailway Maniaを「鉄道狂時代」と訳している。時代がかった訳語であるがこちらの方が分かりやすい。