文を敲く

読書記録とその他雑記。

庶民と共に -「ジャガイモの世界史」

米原産のジャガイモがヨーロッパを経由して全世界へと広がっていった歴史を辿る本である。日本ではまず見ることがない色鮮やかな南米のジャガイモの写真には軽く衝撃を受ける。ヨーロッパでは当初胡散臭い野菜としてジャガイモが見られていたというのもむべなるかなと思わせる色だからだ。

本書を読むとジャガイモの偉大さがひしひしと伝わってくる。そしてジャガイモの不作は「絶望」ともいってよい。アイルランドの飢饉も東北地方の飢饉もジャガイモが育たなかったときがもっとも甚大だからだ。どこかに土地を買ってジャガイモを育てたい。