文を敲く

読書記録とその他雑記。

洗練 - 「ガラスの街」

途中まではニューヨークを舞台に繰り広げられる探偵小説である。依頼者もターゲットもなかなかの曲者ではあるが、主人公が探偵となったきっかけもこれまたクセのあるものになっている。間違い電話をきっかけに止む追えず「ポール・オースター」と名乗って探偵になるのだ。

後半はターゲットの探索も見どころだが「ポール・オースター」をめぐる謎もやはり面白い。安倍公房的な不条理が漂う小説といってもいいかもしれない。