文を敲く

読書記録とその他雑記。

理想 -「政治家の誕生」

いつの時代も政治家はマスメディアおよび庶民による批判の対象だった。しかし政治家もまた民主主義と同じで「政治家は最悪の統治者と言うことが出来る。これまでに試みられてきた政治家による統治以外のあらゆる統治方法を除けば」であることが本書を読むとよく分かる。

古代ローマで活躍した政治家にも一通り言及されているが、本書でもっとも重点的に記述されているのは16世紀イギリスで活躍した政治家たちのエピソードである。当時のイギリスで政治家が求められた背景や、当時活躍した政治家であるトマス・モアやロベスピエールの功績と限界が綴られている。

トマス・モアといえば「ユートピア」を著した政治思想家のイメージしかなかったが、実務の方でも活躍していたとは全く知らなかったので勉強になった。