文を敲く

読書記録とその他雑記。

濃い -「紙つぶて (全)」

元々は同名の新聞コラムとして連載されていたものをまとめたものである。ひとつひとつの文章は短いが、濃縮還元ジュースの還元前のような情報量を誇る。古い本から新刊まで硬軟織り交ぜ辛口の批評が続く。癖が強いので一気読みには向かない本である。

本書は(全)と銘打たれてはいるが、のちには「完全版」「自作自注最終版」といったバージョンが出版されている。著者の文章を完璧に味わい尽くすなら「自作自注最終版」を読むべきなのだろう。