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読書記録とその他雑記。

意外 -「獣の奏者 外伝」

獣の奏者」の外伝である本書はファンタジー小説ではあまり描かれることがない「妊娠」「出産」が主題となっていたのが個人的には驚きだった。収められている中篇のうち一篇は「妊娠小説」の一歩手前で踏みとどまっているような感じの筋書きなので、ちょっぴりもやもやとした読後感が残ってしまった。

「外伝」は本編とは違って青い鳥文庫には収録されていないため「大人向け」という位置づけなのだろう。とはいえ本編が好きなら、大人になるのを待たずして読んでも損はないと思う。大人になってから再読する愉しみが出来るからだ。