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読書記録とその他雑記。

学ぶ人 -「カール・マルクス」

マルクスの思想的な変遷が手に取るようにわかる本である。はじめのうちは哲学研究の道を志していたが「資本論」で知られる経済学者へとなった背景がよく分かる。マルクス主義の文献だけに時折登場する「フォイエルバッハ」がどのような思想を持つ人物だったのか(そして、なぜマルクスが批判しなければならなかったのか)を本書の解説で初めて理解できた。マルクスフォイエルバッハの影響を受けながらもその思想の限界に気が付いたからだった。

マルクスは「資本論」の第一部を書き上げて第二部を完成させる前に亡くなった。本書には彼が「第二部」を書いている間に何を勉強していたのかが最新の研究に基づいて記されている。経済学に留まらず一見関係なさそうな地質学まで勉強していたというのだから驚いた。