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近代の夢 -「輝ける都市」

輝ける都市

輝ける都市

世界遺産登録で何かと話題となったコルビュジエ。設計したモダニズム建築に注目が行きがちではあるが、都市計画思想においても大きな影響を残している。本書は近代都市の諸問題とその解決案を提示した大著*1である。

一種の理論書ではあるが文章は格式ばったものではなく、エスプリを交えつつ全体的に威勢の良い文章が冒頭から終わりまで続く。また写真に添えられたキャプションも面白い。著者が提唱した「輝ける都市*2」は都心回帰タワーマンションの勃興という形で東京でそれなりに実現しつつある。とはいえ東京はニューヨーク化を志向しているようなので例の広々とした空間が生まれることは無いだのろう。

*1:内容もさることながら物理的に大著である。ここ何年か読んだ本の中では抜群の重量を誇る。感覚としては広辞苑に匹敵する重さだ。

*2:ニュータウンではないことに注意。「都心」の再生に主眼が置かれている。