文を敲く

読書記録とその他雑記。

不透明さ -「忘れられた巨人」

忘れられた巨人

忘れられた巨人

小説らしい余韻を味わえる作品である。舞台は妖精やドラゴンがまだ身近にいた中世イギリス。そして道中での会話が少なくない割合を占めているが、交わされる会話はどこまでも現代的である。始終不安定さと不透明感を伴っていて話がうまくかみ合わないのである。

ちなみに原書は文体が古語風で書かれていたという。原書で読めるだけの語学力が欲しかったとも感じた。