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豊富 - 「消費が社会を滅ぼす!?」

消費が社会を滅ぼす?! --幼稚化する人びとと市民の運命

消費が社会を滅ぼす?! --幼稚化する人びとと市民の運命

オタクカルチャーに代表される現代日本大衆文化の「幼児性」は何かと言及され、時には論争となる。しかし、この「幼児性」は日本固有の問題ではなくグローバル資本主義が席巻するところであれば至る所に発生している問題なのであると著者は指摘している。

本書を無理やり一言でまとめれば「消費社会批判論」になるのだろう。ただし論点は「消費者の幼児化」に留まらず「ニュースが24時間休みなく流れる弊害」といったものにまで及ぶ。残念ながら一読しただけの私には全貌を掴み切れていない。

引用・言及されるブランド名も豊富だ。類書でも頻出している「マクドナルド」や「スターバックス」だけではなく「グラン・セフト・オート」、「シムシティ」、「ワイヤード」にまで言及*1されている。

表紙は「専門書」として考えると少し異様な雰囲気を漂わせる。衝動買いさせないためあえてこのような表紙にしたのだろうか。

*1:「生活に「革命を起こす」とする新技術を紹介し、それを有名人や専門家が囃し立てる『ワイヤード』誌(P.505)」という記載は個人的にツボだった。