拡張される移動 -「モビリティーズ」
- 作者: ジョン・アーリ,吉原直樹,伊藤嘉高
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2015/02/27
- メディア: 単行本
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第2部 移動とコミュニケーション
移動手段としての「徒歩」「鉄道」「自動車」「飛行機」がもたらした社会の変化の叙述が行われている。飛行機が発着する空港は「非場所」、つまり土地の固有性から切り離され世界中どこでも同じ仕組みになっているという指摘には唸らざるを得ない。ローコストキャリアの普及によって均質化は広がる一方だ。
第3部 動き続ける社会とシステム
「移動」がネットワークを維持強化し、人口集中が起きる理由について記述されている。宇野常寛が何かと訴えている「大きな箱」の必要性*1が決してオタクの突飛な意見ではなく、モバイル社会の大きな流れに沿ったものであることが理解できる。
関連図書
ポストモダン社会の特色を論じたバウマンの「リキッド・モダニティ」と、社会関係資本を論じたパットナムの「孤独なボウリング」は本書の議論の土台となっているのであらかじめ読んでおいたほうがよい。読まなければ本書の議論がよく分からない可能性が高い。
*1:なぜコミケはビッグサイトで行われるのか? ネットが変えた"場所"と"コミュニティ"の関係性 2015年8月12日参照