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後追う日本 -「綻びゆくアメリカ」

綻びゆくアメリカ 歴史の転換点に生きる人々の物語

綻びゆくアメリカ 歴史の転換点に生きる人々の物語

起業家や世話焼きのおばちゃんなど「代表的アメリカ人」の生い立ちを追った700ページ近くある長編ノンフィクションである。彼らの人生を彩るのは「工場の撤退」「失業」「郊外化」「ドラッグ濫用」「シングルマザー」「思考は現実化する」といったフレーズだ。日本でもよく聞く話もあってあまり他人事とは思えない。

中でも驚いたのは保守系政治家ギングリッジの記述だ。彼がよく使うフレーズがリストアップされているのだが、安倍晋三首相とそのお友達たちが使うフレーズとあまりにも似通っているのだ。政治家の言動すらもアメリカの後追いのような状況となっていたのは意外だった。