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コントラスト - 「三島由紀夫と司馬遼太郎」

三島由紀夫と司馬遼太郎―「美しい日本」をめぐる激突 (新潮選書)

三島由紀夫と司馬遼太郎―「美しい日本」をめぐる激突 (新潮選書)

私は三島由紀夫に関しては全くと言っていいほど興味がないが、司馬遼太郎には興味があるため本書を手に取った。なお著者はどちらも大好きであるようだ。

「日本」の行く末を憂いたふたりの作家の思想を比べた評論である。彼ら二人が直接激突したということはないが、「天皇」ひとつでも扱い方が大きく異なることがよく分かる。ただし評論とはいっても著者の個人的な思い出話の分量が多いので、どちらかといえばエッセイの範疇に含まれる書物であると思う。