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読書記録とその他雑記。

左翼史 - 「新しい左翼入門」

新しい左翼入門―相克の運動史は超えられるか (講談社現代新書)

新しい左翼入門―相克の運動史は超えられるか (講談社現代新書)

日本における社会主義の芽生えから現在に至るまでを大掴みにまとめた本である。日本史の授業で習った「大逆事件」「日本資本主義論争」といった点の知識が線の知識になるので暇潰しを求める大学受験生にお勧めだ。

本書によれば近代日本の社会運動の歴史は啓蒙主義者と現場主義者の対立の歴史であり、この対立は今に至るまで続いている。主義主張が似ているはずの社民党日本共産党がなぜ合併しようとしないのかも本書を読めば良く分かる。

やはり「左翼小児病」をどうにかしない限りはどうしようもないのだろうが、簡単にはいかないのだろう。