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教養 - 「優雅な暮らしにおカネは要らない」

優雅な暮らしにおカネは要らない 貴族式シンプルライフのすすめ

優雅な暮らしにおカネは要らない 貴族式シンプルライフのすすめ

優雅に暮らすには成金趣味を捨てることが大事だというのが本書の趣旨である。私はおおむね著者の意見に同意するが、「金を使って景気回復に貢献すべし」という風潮がやや強い今の日本では流行らない考え方だろう。

しかし金を使わず優雅に暮らすには思考力や教養が欠かせない。暇潰しを例に挙げてみよう。中島らもは「「教養」のない人間には酒を飲むことくらいしか残されていない。「教養」とは学歴のことではなく、「一人で時間をつぶせる技術」のことである」と語っている。つまり暇潰しには教養が必要なのだ。

金さえ出せば様々な暇潰しが出来ることを広告は毎日懇切丁寧に教えてくれるが、金を使わず暇をつぶす方法は自分で見つけ出さなくてはいけない(本書にはそのヒントが載っているが自分に合うかどうかは試さなければ分からない)。金を使わず優雅な暮らしをするのはハードルが高いのである。