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文学寄り - 「革命と反動の図像学」

革命と反動の図像学: 一八四八年、メディアと風景

革命と反動の図像学: 一八四八年、メディアと風景

本書は19世紀フランスにおけるメディアの発達とその社会的意義について考察したものである。この時代にフランスで花開き世界各国へと広がった小説の新聞連載という形式がフランスでは衰退し、日本でのみ命脈を保っているなどディレッタンティズムを刺激する話題に事欠かない。

なお本書は「図像学」とは銘打ってはいるが、ドレやドーミエなど挿絵画家についての記述は少なく、フロベールやシューなど小説家や著述家に関する記述が多い。美術史寄りというよりは文学史寄りなのである。