文を敲く

読書記録とその他雑記。2018年11月に「はてなダイアリー」から移転してきました。

ロリコンの芽生え - 「カメラ・オブスクーラ」

カメラ・オブスクーラ (光文社古典新訳文庫 Aナ 1-1)

カメラ・オブスクーラ (光文社古典新訳文庫 Aナ 1-1)

妻子あるボンボンの主人公が偶然出会った小悪魔的な少女に恋して破滅する物語である。これだけならナボコフの代表作である「ロリータ」とたいして変わりが無いかもしれない。だが本書は「ロリータ」よりもだいぶ前に書かれた作品であるためか、変態度合いがマイルドだといえる。読みやすいと言われてはいるが独特の比喩や言葉遣いの連続ですんなりとは読み進めることは出来なかった。

中盤で主人公は作家の友人に出会い、その友人が書いた作品が何ページが続く。「失われた時を求めて」の二番煎じのような代物なので何だこれはと戸惑うが、作者が仕掛けた物語の歯車だと気づかされて地団駄を踏む感覚に陥った。場面の切り替え方が巧みなのだ。