文を敲く

読書記録とその他雑記。

檄文 - 「切りとれ、あの祈る手を」

装丁も洒落ているが題名も洒落ている。そしてトラディショナルなスタイルの目次につづいて濃厚で魅惑的な語り口の本文。本が世界史にもたらした革命の意義を説き、ニーチェフーコーなど思想家の言葉を引用しながら「本」と「文学」が持つ可能性が語られる。ビジネス本と自己啓発本の氾濫にうんざりしている私にとっては同意箇所があまりに多い。あずまんへの言外の批判や終末論批判なども興味深い。

現状追認主義が跋扈する状況に不満のある方にお勧めの一冊。