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漢字の流動性 - 「戦後日本漢字史」

戦後日本漢字史 (新潮選書)

戦後日本漢字史 (新潮選書)

GHQによる日本語ローマ字化計画の挫折の顛末から「常用漢字」に至るまでの歴史を概観できる一冊。日本における略字や異字体など漢字をめぐる諸問題もあわせて紹介されている。ワープロの普及によって日本人は漢字を頻繁に使うようになったというのは興味深い現象だと思う。

「当用漢字」や「常用漢字」といった規定はそのまま日本語をじわじわ変化させることがよく分かる。JISやユニコードといった言語コードもこれからの日本語の方向性を変化させていくのだろう。