文を敲く

読書記録とその他雑記。

長い楽観論 - 「社会を変えるには」

社会を変えるには (講談社現代新書)

社会を変えるには (講談社現代新書)

著者の本は概して長いが本書もその類に漏れない。本書は日本の学校教育で手薄になりがちな日本の現代史と民主主義について解説した本である。学校教育ではほとんど触れられないからこそ丁寧な解説が必要なのだが、センセーショナルなものはおおむね漂白された平坦な文章が続くので読み飽きてしまう人は少なくないかもしれない。

とはいえ今の日本では社会よりも経済とナショナリズムばかりが日増しに珍重されている。むしろ経済とナショナリズムを梃子に社会を変えようという流れに勢いがあると言っても良いのかもしれない。だからこそ声をあげなければならないのだが。