文を敲く

読書記録とその他雑記。2018年11月に「はてなダイアリー」から移転してきました。

あくまでも基本 - 「マネジメント エッセンシェル版」

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」が発売されてから昨日でちょうど4年が経過した*1。この間メディアミックス展開が行われていろいろと話題になったが結局「もしドラ」自体は凡百のベストセラーと同様に忘れ去られつつあるような気がする。一方、ネタ本となった本書はロングセラーとして今日も着実に新たな読者を増やしつつあるような気がする。

著者によれば「企業の目的は顧客を創造することである」らしい。どのように創造すればよいのか知るなら「もしドラ」より小林一三の伝記を読んだ方が良さそうだ。

フォードやシーメンスなど有名企業の事例が豊富に紹介されているので、理解しやすい。とはいえ一度読んだだけで理解できるとも思えない。事あるごとに繰り返し読んだ方が良さそうな本だ。また本書を読んだだけでは不十分なことも確かだ。高校野球の女子マネージャーのように実践するのも大切だろうし、ドラッカーの他の著作なども読んでみたくなった。

個人的に意外だったのは日本企業についての記述が少なくなかったことだ。おおむね日本的経営が肯定的に評価されていて何となく時代を感じる。ちなみに岩崎弥太郎はマネジメントを信じない人間だったらしいのであまり評価されていない*2

*1:2009/12/04発売

*2:ただ彼の死後に経営を引きついた側近たちについては「日本でもっとも強力にしてもっとも専門的かつもっとも自立的なマネジメントを作り上げた」と高く評価されている。