文を敲く

読書記録とその他雑記。

リア充のすゝめ - 「採用基準」

採用基準

採用基準

「Chikirin」の商標を持っているコンサルタントによる人材論である。著者の来歴としてマッキンゼーの話も登場するが本書はマッキンゼーの採用基準を解説したものではない。グローバル企業を動かす歯車として活躍できる「グローバルリーダー」なる人物像について語ったものだ。

グローバルリーダーになるためにはゼミでも部活動でも何でもいいからリーダーになることが最低限必要なのだという。リーダーを経験することでリーダーの苦労が分かりグローバルリーダーへの道が開かれるというのだ。端的に言えば本書は「学問のすゝめ」ならぬ「リア充のすゝめ」といったところだろう。

著者によれば東大法学部の学生や京大の学生はグローバルリーダーにはなりづらい環境であるらしい。グローバル企業やベンチャーの経営者など意識の高い人間(かつ空回りしていない)と触れ合う機会がないためだという。

あくまでも「グローバルリーダー」に興味がある人のための本だ。本書ではグローバルリーダーはスーパーマンかのように書かれているが、疲弊し人口減少がすすむ地方を活性化させることが出来るかといえば疑問が残る。