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読書記録とその他雑記。

本の行方 - 「本は、これから」

本は、これから (岩波新書)

本は、これから (岩波新書)

電子書籍の登場など激変する本を巡る環境は激変を続けている。本書はこれからの本の在り方や本の思い出など各界の人物の声をまとめたものだ。「ハードウェアとしての本/電子書籍」から始まり「自炊の是非」「出版社は必要か」「取次・書店のこれから」「アマゾン税金払え」「図書館の役割」「そもそも本とは何か」と何かと論点の多い電子書籍界隈だが、本書は激論を交わすようなタイプの内容ではない。本への愛着を語る識者が多い。

ネット上では「紙の本原理主義者」が批判されがちだが、電子書籍を使わない人間は野蛮とでも言いだしかねない「電子書籍至上主義者」「アマゾン至上主義者」の態度もどうなのかと個人的には思う。(ついでにいえばビジネス書など一部の電子書籍の装丁は楽天のバナー広告のような身も蓋も無いものになりそうな気がする。あるいは情報商材のパッケージのようなギラギラしたものになるか)