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読書記録とその他雑記。

バカ爆弾 - 「指揮官たちの特攻」

指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく (新潮文庫)

指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく (新潮文庫)

ここ数年ずっと売れ続けている「永遠の0」。周囲にもやはり本書を読んで感動したという人が少なからずいるし、薦められたこともあった。「海賊とよばれた男」は確かに面白かった。しかし百田氏のTwitterでの本音らしきもの(建前だと信じたい)の投稿を何度か見てしまった今、どうも読む気になれない。とはいえ特攻について知りたいとは思っていたので本書を読むことにした。

読めば読むほど空しい気持ちになる。精神力で勝利しようとして行き着いた先が「人間の使い捨て」ともいうべき特攻だ。アメリカではバカ爆弾といわれているらしいが著者はこのことに対して強く憤る。搭乗していた人間がバカなのか? 私は「お前らの命は一銭五厘」という考えを持った人間を量産した大日本帝國自体に致命的な問題があると感じた。