文を敲く

読書記録とその他雑記。2018年11月に「はてなダイアリー」から移転してきました。

性欲の物語 - 「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」

オスカー・ワオの短く凄まじい人生 (新潮クレスト・ブックス)

オスカー・ワオの短く凄まじい人生 (新潮クレスト・ブックス)

ドミニカ共和国にルーツを持つナードの青年オスカーの短い一生とその家族の不幸な伝記を書いた物語である。

本書の世界観は「セックス至上主義」としか言いようがないものだ。オスカーをはじめとして主要登場人物の大半はセックスか性欲に振り回され、苦悩し、そして死んでいく。主人公の一族は「フク」なる呪いに縛られているらしいが、これは性欲の呪いであるとしか思えない。「マジックリアリズムオタク文化が激突する、全く新しいアメリカ文学」というキャッチコピーがつけられているが、面白いがそれほど新しさは感じなかった。